福島第一の廃炉工程表を改訂 核燃料取り出しは3年遅れ
国と東京電力は26日、福島第一原発の廃炉作業の工程表を改訂した。1、2号機の使用済み燃料プールからの核燃料取り出し開始は前回改訂時から3年遅れ、2023年度中にずれ込んだ。一方、全体で30~40年かかるとされる廃炉工程の大枠は変更しなかった。
2015年に元京大原子炉実験所助教の小出さんが指摘している
小出氏は、東京電力が計画している、格納容器を補修して水を張り、メルトダウンした核燃料を上からつまみ出す方法について、放射線量が高くてそのような作業を行うことは不可能だと指摘。東電は溶け落ちた炉心の一部は圧力容器の底に残り、残りは格納容器の底にたい積していると主張しているが、実際は格納容器内に広く散乱している可能性が高いため、取り出すことが難しい。しかも、格納容器のどこに穴があいているかを調べることさえ困難な状態で、そのような方法ではいつまでたっても廃炉にすることはできないと語った。
その上で小出氏は、溶け落ちた燃料の取り出しは出来ない以上、チェルノブイリ原発のように石棺で封じ込めるしかないとして、まずは汚染水を大量に生み出している現在の水冷方式を諦め、金属冷却か空冷を採用し、上からカバーをすることで放射能の飛散を防ぐ必要があるとの見方を示した。また、その際に地下水の流れを止めるために、地下ダムが必要になるとも指摘した。
ただし、石棺を作成する前提として、まずは1~3号機の使用済み燃料プールに残る1,393体にのぼる使用済み核燃料を安全な場所に移す必要があるが、その作業に何年かかるのかさえ見通しが立っていないとして、福島原発が「アンダーコントロール」と考えるのはまったくの間違いだと語った。
小出さんの発言が全て正しいかは分からないけれど、少なくとも海外の報道(特にドイツ)を見ていると、政府や東電の計画や発表は無責任で、小出さんの発言の方が信用できると思う。こんな状況でありながら、次々と原発の再稼働を進め、輸出しようとしている政府には、はっきりとNO!と言わなければ!