2013年5月17日金曜日

複雑な気持ち

長年、原子力発電所と「共生」してきた街「福井県敦賀市」に、「もんじゅ」の事実上の運転禁止と二号機直下の活断層があるという判断が発表されたことで、衝撃が走っているという。
 10数年前から何度も仕事で訪ねてきた敦賀市には、オヤジも特別の感情がある。
大都会に住み、たくさんの電気を消費してきた人間が、「原発関連のお金でおいしい汁を飲んできた街が何を言っているんだ」的な批判をしていると時々耳にする。そんな発言には、原発立地地域の状況をよく知らない人たちの無責任な発言だと憤りを感じる。

 オヤジは、脱原発を目指すべきだと考えているし、リスクが大きい原発は一刻も早く廃炉にすべきだと思っている。

 しかし、原発立地地域の人々の暮らしを守る視点を「都会の住民」は決して忘れてはならないと思う。「廃炉」に向けた技術開発拠点を設置するとか再生可能エネルギー開発の技術センターを開設する等、地域の雇用を守る、新しい産業と人材育成の視点を忘れてはならない。未来に向けた原発立地地域の人たちの要望にしっかり応えていかなければならない。「安全に稼働してきた時」ですら、風評被害や大きな不安を感じてきた原発立地地域の住民が、再び、雇用不安というストレスを感じながら暮らしていかなければならな状況は
絶対に止めなければならないと強く思う。


2013年5月16日 福井新聞を読んで
廃炉濃厚で揺れる原発のまち 敦賀に経済打撃、広がる困惑

(2013年5月16日午前7時11分)
拡大人通りがまばらな敦賀市中心部の商店街=福井県敦賀市本町2丁目人通りがまばらな敦賀市中心部の商店街=福井県敦賀市本町2丁目
 原発と半世紀近く「共生」してきた福井県の敦賀にとって厳しい一日となった。日本原電敦賀原発2号機直下に「活断層がある」とした15日の原子力規制委員会調査団の判断を複雑な思いで受け止める敦賀市民は少なくない。既に地域経済は疲弊し、財政、雇用にも影響が出ている中、結論は存廃に直結し、死活問題に発展する。この日は高速増殖炉「もんじゅ」の事実上の運転禁止命令も決まり、「原発は地場産業。敦賀を夕張のようにしてはいけない」と悲鳴にも似た声が上がっている。

 「雇用確保策や代替エネルギーの話もなく、結論づけるのは地域にとって嘆かわしい。断層の議論は根拠が理解しづらく、いったん結論を出せば死活問題になる」。敦賀市商店街振興組合連合会の新道忠雄理事長(77)は困惑する。

 敦賀原発で働く社員、協力会社員らは千数百人おり、定期検査のピーク時は約3〜4倍に膨らむ。市人口約6万8千人に加え、住民票を持たない作業員らが敦賀の経済を支えてきた面がある。

 昨春の定検終了以降、作業員らは市外へ流出。定検や敦賀原発3、4号機増設に伴う需要を見越し、進出したホテルや改修した旅館、飲食、クリーニング、弁当店、タクシーなどは打撃を受けた。敦賀商工会議所の担当者は「先が見えない」とし、20日から本年度最初の原発長期停止に伴う影響調査を実施するという。

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