2012年1月31日火曜日

川内村「帰村宣言」のニュースを聞いて

今日のニュースから

川内村が「帰村宣言」=4月に役場、学校再開—避難区域自治体で初・福島

http://www.asahi.com/national/jiji/JJT201201310079.html



東京電力福島第1原発事故で、全村避難した福島県川内村の遠藤雄幸村長は31日、村外で避難生活を送る住民に村へ戻るよう呼び掛ける「帰村宣言」を出した。避難区域に指定された自治体が帰還を呼び掛けるのは初めて。4月から役場や学校、保育園、村営診療所を再開する。
帰村するかどうかは住民の自主判断に委ねるが、遠藤村長は「共に、りんとしてたおやかな、安全な村をつくってまいりましょう」と訴えた。

村は今年に入り、役場機能を移した同県郡山市にある仮設住宅の集会所などで、避難した住民と懇談会を開催。村長は「帰村に一定の理解が得られた」とした。


自主判断を求められた住民の皆さんの胸中は複雑だと思います。

川内村の遠藤村長は、原発事故後の10月31日からチェルノブイリを視察されています。『避難を余儀なくされた住民がどのようなタイミングで帰宅したかのなど、チェルノブイリから学ぶべきことは大きい』との発言にあるように、視察の目的自身が、放射能汚染による長期にわたる危険性の調査や、除染の効果確認より、「帰村」ありきの調査だった事を覗わせています。本日の帰村宣言も、チェルノブイリでの調査や実感、そして専門家とも検討された上での判断でしょうが、「福島第一原発事故が終息に向かっている」感を演出するためのアドバルーンのような(もしくは利用されている)感じがしてならないのです。
 避難先で大変なご苦労をされている住民の皆さんが、一刻も早く帰村されたい気持ちは十分に理解できます。そしていつも、村民の皆さんの声を聴き、苦労を見てきている村長さんが「帰村宣言」を出されたい気持ちもまた充分に理解できます。
でも、事故から1年では、除染の効果をはじめ分からないことが多すぎると率直に思います。もう住民の皆さんが避難先での生活に耐えられない限界が来ているのかもしれませんし、他地域の人間が口出しできる問題では無い事かもしれませんが、せめてもう一年、もしくは避難生活が大きなストレスとなる高齢者のみなさん向けの村営住宅を建設してからと思います。そして、村の再建には、他地域からの中高年層の移住を促進するとかして、子どもや若い人の帰村は、安全がもっと確認されてから行う等の判断が必要なのではと思うのです。『村』という行政単位の維持よりも、長期にわたる村民ひとり一人の安全を優先すべきではないのか、悪意のない「人体実験」にならないことを切に願うばかりです。

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