2011年6月27日月曜日
フィリピンの眠れる原発
上記の写真はhttp://www.arkibongbayan.org/より抜粋
フィリピンのバターンにある、世界で唯一の『完成したけれど閉鎖』された原発「the Bataan Nuclear Power Plant」。
70年代からのマルコス独裁政権に対する民主化運動と一体となった反核、反原発の市民運動、民衆の抗議行動により閉鎖に追い込まれた原発。
福島原発事故を受けて、フィリピン政府観光省が『閉鎖された原発」を観光スポットにする計画を進めていることは、5月22日のこのブログでも書いたとおり。
フィリピン政府は原発開発を断念している訳ではないけれど、『閉鎖された原発』という世界唯一の「観光資産を活かさない手はない」と考えたのだろう。どうせなら本物の原子炉や制御室を見学できる世界でひとつの原子力発電所として、脱原発のシンボル化を目指して、世界遺産に登録して欲しいと思う。そして同時に、独裁政権を倒し、危険で利権まみれの原発を閉鎖に追い込んだフィリピン民衆の力=世界的に有名な非暴力革命「PEOPLE'S POWER」の歴史も紹介して欲しい。
2001年、出張でマニラにいた僕は、エストラーダ13代大統領を退陣に追い込んだピープルズパワー2と呼ばれる民衆運動を体験した。
「大統領を辞任させるために黒を身につけよう!」という携帯メールの呼びかけに応えて、マニラの中心部では黒いシャツや黒いリボンを身につけた人々が、普通に仕事をしながら大統領の辞任を促していた。最近の中東で注目を集めたSNS革命の走りとも言える光景だった。学生運動の端っこを見てきた僕には、長い植民地時代や独裁政権下で闘ってきたフィリピンの民衆運動は、したたかでしなやかで、かつ雄弁で陽気に感じられた(所詮外国人的な感想ではあるけれど)。
脱原発のシンボルと独裁政権と闘ってきた民衆運動の歴史を「文化的観光資源」にしたら、フィリピンのイメージも、もっと良くなる気がするんだけどな・・・。フィリピンのことは、後日また書いてみようと思う。
明日は早くから仕事だから、明日の分までブログをアップ。
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