2011年9月5日月曜日
Louis Armstrong/What a Wonderful World 夜中の一曲
1967年にベトナム戦争を嘆き、平和を夢見て作られた曲。1987年に制作された映画「Good Morning, Vietnam!」の中で挿入曲として使用されてリバイバルヒットした名曲。僕の数少ないカラオケのレパートリー。学生時代は、コルネット奏者というよりは、ボーカリストとしての印象の方が強かった。Ella Fitzgeraldとのデュエット「Dream a Little Dream of Me」を初めて聴いた時も、ボーカルパートばっかりに耳が行って、後からこのイントロを吹いているのがLouis Armstrongなんだ!と、その凄さに気がついた。
人種差別が激しい時代に、白人と競演するのはとても辛くて大変だったと思う。舞台に上がれば、大汗書いて、目を見開いてお客さんを「とことん楽しませる」。そんな彼のスタイルは黒人からは、「白人に媚び、差別を助長している」との批判も受けていたそうだ。確かに、そういう一面もあったかもしれない。でも、彼の頭の中にあった事は「どうやったらお客が喜ぶか?もっと楽しくなるのか?」だけで、「媚びる」という発想はなかったと思う。なぜなら、彼は本物のエンターテイナーだから。演奏も歌も、MCも、そして演技もショーマンとしてのサービス精神によって磨かれたものだから。
僕は、ROCK BANDや求道的なJAZZとは違った「エンターテイメント」の魅力を彼から教わった気がする。
僕が育った吉祥寺には、たくさんの個性的なジャズ喫茶をはじめ、音楽を聴かせるお店があった。その中でも、FUNKY2階のボーカルルームは、僕の人格形成や音楽の趣味を決定付ける
お店だった。高校時代、自転車に乗ってFUNKYに行って「音楽に対峙する」一時が何よりも
大切な時間だった。
JAZZに出会い、Jhon Coltrane、Miles Davis、Louis ArmstrongやElla Fitzgeralを知ったのもこのお店だ。そして、ボーカルルームのALTEC A7と管球式アンプのMcIntoshが奏でる音は、いまでも僕にとっての「良い音」の物差しになっている。
夜中に一服しながら、青春時代を懐かしんでしまった。
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