先日某所で開催された野外コンサート。
我が事務所ディレクターの業務は出演者管理とバックステージ周り。
本番前日に主催者から預かったバックステージパスは、ラミネート加工された首からかけるタイプ150枚。
バックステージパスを預かった「我らがディレクター」は、パスを手に取りパスの角角が尖っていることに気づく。
野外では風にあおられたパスが良く顔に当たる。明日の天気は雨天で強風。
ラミネート加工されたパスが顔に当たると痛いし、悪くすれば目にあたり、パフォーマンスにも影響を与えるかもしれない。
今更『これじゃだめ」といっても主催者が交換出来る状況にもない。
現場は、翌日の本番に備えた仕込み作業で手一杯。
そこで「我らがディレクター」は、前日仕込み終了後事務所に戻り、一人黙々と1枚1枚のバックステージに鋏を入れて、パスの角角を丁寧に丸くしはじめた。150枚のパスの角を丸め終わったのは深夜だった。
僕は、別件の台本書きと格闘しており手伝うことも出来なかった。それでも『明日早いんだから何か手伝おうか』と声をかけると『大丈夫です』と返事をしてくる。(不器用な僕に手伝わせたらもっと時間がかかると考えたのかもしれない)そして作業を終えた彼女は、いつも通りの笑顔で愚痴一つ言わず「お先に」といって、少し多めの雨具と直したばかりのバックステージパスを持って事務所を出て行った。
さすが!経験に基づき最悪の状況を想像してしっかり準備している。
きっとだれも知らない、彼女の作業。
我がスタッフながらほんとうに感心してしまった。
0 件のコメント:
コメントを投稿